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2012年2月8日水曜日

『ソーシャルデザイン−社会をつくるグッドアイデア集』(グリーンズ)

書店で表紙だけでなく全ページがライトブルー・ライトグリーンの色合いなのが気になって購入した『情報の呼吸法』(津田大介)と『ソーシャルデザイン』(グリーンズ)。
2冊目となる『ソーシャルデザイン』は、グリーンズ(greenz.jp)によるタイトルどおり「ソーシャルデザイン」をテーマにした一冊。

あらゆる価値観が再定義されて、「ニュー・ノーマル」という新しいライフスタイルが立ち上がりつつある今、この「ニュー・ノーマル」を作っているのは個人だったり、マイクロプロジェクトであることを再認識しました。自分も社会の問題解決に貢献できるという勇気を得られる一冊。オススメです。

ソーシャルデザインを通じて、行き詰ってしまった「古い当たり前」を「新しい当たり前」にイノベートした事例が多々掲載されています。そこに存在するのは、「人」「人」「人」。

ソーシャルデザインで大切だと感じたことは大きく2つ。
① 「自分の周りをよりよいものにしたい」という個人的な思いを持ち、行動に移すこと。
② ・・・とは言いつつ、行動に移す勇気や、行動を継続する忍耐力がいる。その際、プロジェクトだけでなく、その背景にあるストーリーを一緒に語ることで、ストーリーに共感してくれた方が「何か手伝えることがない?」と声をかけてくれて「仲間」になり、大きく前進する。

あと、ソーシャルデザインを含めて教育についても綴られていました。デザイン思考について。
「1+4=○」を教えるのが日本の教育、「○+△=5」を教えるのが海外の教育。一つの正解を求めるのではなく、実は一つの正しい答えなんかないというリアルな現実。これからは「正解」でなく「問いかけ」が重要になってくる。本当にそう思います。

ステキな一冊でした♪


��構成>
第1章 「自分ごと」から始める
第2章 「これからの○○」をつくる
第3章 行動をデザインする
第4章 「新しいあたりまえ」になる

��応援したい、気になった活動等>
おばあちゃんを指名してカスタムメイドするニットブランド「ゴールデン・フック」
「うわさ」の力で街を賑やかにするアートイベント「八戸のうわさ」
●バルセロナに住む人々に風船で「ありがとう」を届けた男
タバコの代わりにシャボン玉を一服する「東京シャボン玉倶楽部」
●スピードを「守った」人に宝くじが当たる「スピード・カメラ・ロッタリー」
究極の環境PR。1枚のチラシで28万人にプロモーションした2匹のパンダ
街ぐるみでオープンな子育てを実践する「まちの保育園」
秋田のイケメン若手農家が挑戦するソーシャルな農家「トラ男」
街が一変するデザインで投票率を上げた「KOTOBUKI選挙へ行こうキャンペーン」
●途上国の電力不足を解決する自家発電型サッカーボール「ソケット」
「生まれ変わる」ための復興プロジェクト「石巻2.0」
●一夜の内に荒れ地が楽園になる「ゲリラ・ガーデニング」
「オリガミ×モッタイナイ」文化から生まれた「四万十川新聞バッグ」

ソーシャルデザイン (アイデアインク)/著者不明

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2012年2月6日月曜日

『情報の呼吸法』(津田大介)

書店で表紙だけでなく全ページがライトブルー・ライトグリーンの色合いなのが気になって購入した『情報の呼吸法』(津田大介)と『ソーシャルデザイン』(グリーンズ)。
まずは『情報の呼吸法』から。

ソーシャルシフトが進む中、ソーシャル時代のライフスタイルの再定義について述べている一冊。
フューチャーセンターなどの活動を通じたイノベーションの創出と共に、新しいライフスタイル(特にワークスタイル)を確立するために避けられないマネタイズ。既存の社会や会社の枠組みに縛られない個々人の繋がりによるマネタイズの仕組み。個々人での資金授受ができるマイクロ募金のような仕組みなどを定着させる必要があるんだと感じた一冊でした。

��構成>
第1章 情報は行動を引き起こすためにある
第2章 情報は「人」をチャンネルにして取り込む
第3章 情報は発信しなければ、得るものはない
第4章 ソーシャルキャピタルの時代がやってくる

��気になった内容>
●溢れる情報社会の今、情報のインプット(入力)とアウトプット(出力)のバランスが重要である。
●インターネットはかつてのバーチャル空間でなく、「現実」そのものの一部として、人々を繋ぐ新しいコミュニケーションインフラになっている。
●津田さんの情報発信のスタイルは、公正中立の見地から事実だけを伝えるのではなく、情報をシェアすることでムーブメントを起こすことに力点を置いている。
情報とは、人々が動き出すきっかけを与えるもの、人をドライブさせるためのガソリン。
●Napstarが情報の価値観を変えた。
twitterでの情報の選び方。それは「人」選び。同じ業界、かつ、同世代の人をフォローすると問題意識が近く、時代に対する焦燥感も共有できるので行動に繋がりやすい情報を得られる可能性が高い。
さらに「誤配」が混在する点がいい。「誤配力」に情報格差を埋めるためのヒントがある。
そのため、自分の知らない、まったく考え方の違う人もフォローすることで視野が狭くなることを防ぐことができる。
●リアルタイム性が特徴のソーシャルメディアの時代になり、情報との出会いは「一期一会」になった。ストック型からフロー型に。
●twitterの最大の特徴は、発言を通して人が「露(あらわ)」になってしまうこと。
●何よりも多様な情報に触れ、自分なりに考えてみることが大切
●ネットでの情報が放っておいても入ってくる現在、オフラインでしかアクセスできないオリジナルな情報。
●情報の発信力を高めるためには、情報と人の組み合わせを考えること。自分が他人との情報の繋ぎ役になるということ。
ソーシャルメディアのいいところは、「これをやりたいな」と思えば、実現の速度を上げてくれること。
●情報をセレクトして出す「キュレーター」よりも、情報を混ぜ合わせて出す「バーテンダー」に。
●自分の知らない情報を貧欲に接種する内に考え方が180度変わることを恐れない柔軟性を持つことも大切。
●ソーシャルメディアの最大の良いところは、従来つながりのなかった人と人を自然と結びつけ、大きなムーヴメントにしてしまうこと。
●これからはソーシャルキャピタル(人間関係資本)の時代になる。
●社会学では「ウィーク・タイズ(ゆるやかな絆)」と呼ぶ。自分の知らない世界で生き、様々な経験を積んだ人とのゆるやかな繋がりのこと。
●ソーシャルキャピタルの定義は「メンバー相互の善意、友情、共感、社交を指す。金銭に還元できる資本とは異なる、金銭に還元できない資本という比喩である」。キャピタル(資本)とは関係のない「つながり」による無形・無償の財産。
●情報化社会の未来像を描くとき、最前面にやってくるのは「マネタイズ」。送金機能が付加されることで社会変革のために行動している人に資金が移動して、社会変革の実現速度が加速していく。
ソーシャルメディアは正直者がバカを見ない世界。
●ソーシャルキャピタルを増やすために今できること。みんなが頭を切り替えて、これから来る新しい未来に好奇心を持ってワクワクすること。


情報の呼吸法 (アイデアインク)/津田 大介

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